朝、オーナーの経を唱える声で目が覚めました。
6時過ぎキッチンボーイが部屋の扉をたたきながら熱い紅茶を配って回っています。
コップに注がれた紅茶をもらい天気をうかがいに外に出ると、今朝は深い霧に包まれていました。隣のロッジも良く見えていません。まったく視界の利かない状態で、昨日まで見えていたヒマラヤがうそのように思えます。
今度は洗面用のお湯が配られます。温かいお湯を少し水で冷まして使用しました。
7時前に朝食の用意が出来たとのことで、ダイニングへ移動です。
キッチンボーイが温かいコンソメスープを運んできました。その後チベタンブレッドと目玉焼きが置かれたお皿を一緒に運んできました。毎朝の十分な朝食が、今回のトレッキングを最後まで元気に歩かせてくれるのでしょう。 その後には、ヌードルスープが運ばれ、参加者全員に配られていきます。
熱いお茶も一緒に配れ、朝食をいただいているのですが、一向に外の天気は回復していません。心配な顔を浮かべた参加者もいます。
朝食がほぼ食べ終わるのをみて、ガイドが今日の行程について簡単に説明をしました。『天候が悪いですが、まだ雨は降らないでしょう、念のため雨具を一緒に入れていきますが、お昼まで持つと思いますよ』と説明してくれました。
参加者の準備がほぼ出来、雨の中を歩いても大丈夫な格好で参加者がロッジ前に集まりました。
さぁ出発です。先ずは2時間先のランタン村までお花の道を抜けて歩いていきます。帰りの道もゆっくりとお花を楽しめるので、参加者は思い思いのスピードで歩いていきます。
谷を覆っていた霧も少しずつ高度を下げていくと晴れてきました。
いつの間にか霧も消え、いつものランタン谷を見ることができます。下り道を花の写真を夢中になって撮りながらゆっくり歩いていると、下から登ってきた登山者に気づかないこともあり、声をかけられてびっくりします。
予定通り2時間過ぎにランタン村に到着、来る際に泊まったロッジによって、休憩です。
オーナーよりお茶を頂き、椅子に座って参加者同士が会話を愉しんでいます。
休憩も終わり再び出発です。はるか前方には軍の駐屯地とゴラタベラのロッジが点のように見えています。急いで下りているわけではないですが、遠くに見えていたゴラタベラもあっという間についてしまいます。
出発時、先を歩いていったポーターが山椒の木のところで、再び山椒を沢山取っています。余った買い物袋を彼らに渡したら、その袋が一瞬で満杯なり、他の参加者がそれを見て、もう一枚買い物袋をあげました。
行きに寄ったゴラタベラに着きました。すでにコックやキッチンボーイが昼食を準備しています。ガイドに案内されロッジの中へ入り、オーナーの出迎えを受けました。
参加者は朝出発するとき天候を心配したことも、今まで雨が降らなかったこともすっかり忘れて、高山植物を楽しんで歩いてきました。
キッチンボーイが熱いコーヒーを参加者に配っていきます。
その後、食事の前の手洗い用のお湯をロッジの外に用意し、再びキッチンへ走っていきました。
彼らが食事を作っているキッチンはロッジの横に建てられた離れです。
ゆっくりコーヒーを飲みながら外の花園を見ていたら、昼食の用意が出来てきました。
わかめ入りのお味噌汁と手巻き寿司に焼きそば、ホウレンソウのおひたしにハムの炒めたものが出てきました。どの料理も美味しく、参加者は『ヒマラヤで手巻き寿司を食べられるなんて』と、びっくりしていました。
デザートにバナナを食べ、1時間ほどの昼食が終わりました。
外は未だ雨は降っていませんが雲が沢山谷を覆ってきています。
参加者は折りたたみ傘を出して、準備を整えて待っています。
食器が片付けられ、参加者の水筒にお湯が配れてから出発になりました。午前と同様樹林帯に入るまでは、背丈の小さいお花を見ながらトレッキングです。来た時よりもお花の種類や咲き加減が変わっているように思えます。
樹林帯に入り、植生がすっかり変わり、視線の位置も変わってきます。
背丈が20mを越す大木の中のため、雨が降っているか分かりませんが、時折落ちてくる大きな滴が身体に当たる為、参加者は折りたたみ傘を開いて歩いています。苔が生えた樹林帯の為、足元には十分気をつけて下りて行きました。
ゴラタベラから樹林帯の中を歩き、およそ2時間20分でラマホテルが見えてきました。大きな木々が天然の傘の役割をしてくれ、私たちは小雨にはまったく気づかず歩いていたのでした。
ロッジに到着するとすぐに、オーナーの奥さんがストーブに火を入れてくれました。参加者は雨具を着た格好でロッジのストーブ前まで来て、そこで雨具を脱ぎストーブの上に張ったロープに干していきます。
部屋が暖まると同時に、雨具も一緒に乾いていきます。
キッチンボーイが温かいジュースとお茶の用意を持ってやってきました。お皿には2種類のビスケットが綺麗に並べてあり、それをいただきながらティータイムが始まります。
すでにポーターが荷物を部屋の傍まで運び、ガイドがその荷物を部屋の中へ入れてくれています。身体を拭く熱い洗面器のお湯も用意され、一旦着替えの為、参加者は部屋に戻ります。
着替えの出来た方から再度ダイニングに集まりストーブの火に当たりながら夕食までの時間楽しいひと時を過ごしました。
夕食
夕食時にはヘッドライトを使って、食事が運ばれてきます。テーブルの上にはろうそくが並べられ、その灯りで夕食になりました。
ろうそくを使用した夕食も今日が最後で、明日は電気があるシャブルベンシへ行きます。ろうそくを使って頂くヒマラヤでの夕食も今夜が最後と思うと、急に寂しくなる気がします。
運ばれてきた食事は、天婦羅料理を中心とした夕食です。それ以外にも茄子の炒めもの、味噌で味付けされた苦瓜、野菜サラダなど、無農薬野菜を使った食事ばかりです。お味噌汁には、トレッキング中採れたきのこを使用し、また竹の子料理も出てきました。どうやらこの竹の子は、近くに生えている竹やぶからとってきたらしいのです。日本のような竹がこのあたりには見当たらないので、どうやって採取したかコックに聞いてみたいと思いました。
いつものようにデザートが運ばれてきました。今日はライスプディングです。ご飯を加工して作った甘いお菓子です。初めてこの味を体験した方もおりましたが、美味しいと言って残さず食べてしまいました。
再びお茶を飲みながら、ガイドが明日の行程について説明がありました。ガイドは湯たんぽが必要かどうか参加者に尋ねましたが、誰一人湯たんぽは不要とのことでした。
雨が沢山降っていますが、明日の朝には雨が上がるだろうと誰もが思うようになっています。数日にわたるランタントレッキングで、この地域の天気予報ができるようになったのでしょう。
ストーブの火もだいぶ残っていますが、歩き疲れたようなので、早めに寝床に着く人もいました。最後まで起きていた人も20時30分までには部屋に戻りました。