5日目:

 今日の行程は、ランタン村を出発し、U字谷を更に遡ります。標高3800mにある天空の花園キャンジンゴンパへ向います。

家畜と一緒に起きる:

 6時前、ゾッキョ(高地牛)の鳴き声で目が覚めました。続いてキッチンボーイが『おはようございます』といいながら各部屋を回り、熱い紅茶を運んできてくれました。
 外は朝から霧雨が降っています。ランタン谷も雲に覆われていますが、風に乗って早く流れていきます。
 熱いお湯が洗面器に運ばれてきました。洗面器を中庭に運び、洗面です。目の前の畑には、キャベツや菜っ葉、にんじんがいっぱい育っています。向こうに見える畑には紫色の花をつけたジャガイモが沢山育っているのが見えます。 毎日、参加者のために朝早くからお茶をはじめとした食事の準備をしてくれるスタッフに感謝をしながら、出発の用意をしていきます。

 用意が出来た方から、昨晩夕食を食べたダイニングへ行きます。ストーブには火はありませんが、寒さを感じません。ストーブの上のロープに吊るして干してあった雨具も、すっかり乾いています。今日もその雨具を使用してキャンジンゴンパを目指します。

朝食:

 7時、朝食がテーブルの上に用意されました。熱いヌードルスープ(日本のラーメンに近いもの)の中にお餅を入れたもの、参加者の要望でチベタンブレッド(小麦を練ったものを薄く丸状にし、油で揚げたパン)、スクランブルエッグ、ポテトサラダです。
 チベッタンブレッドは、チベットの食べ物かというと、そうでもありません。日本人ガイドが説明してくれます。ネパールのみの食べ物です。目の前に沢山用意されたチベッタンブレッドが参加者のお腹に入っていきます。 好みも様々で、ジャムをつけたり、蜂蜜をつけたりして美味しく頂きます。

 食事も終わり、水筒にお湯を入れてもらっていると、ポーターたちが隊列を組んで出発していきます。 少しずつ食料が減っていくようで、ポーターの荷物も小さくなっているように思います。  

キャンジンゴンパへ出発:

   8時過ぎ、参加者の用意が全て整い、出発です。
 ロッジを出発するとすぐに、長さ30mほどのマニ石(お経の書いた石板)が垣根のように積まれたメンダンを通ります。ここに暮らすタマン族が長い年月をかけて築いてきたものです。
 よく見ると、表面は緑色の苔に覆われていますが、それを手で拭き取ると、チベット文字でオムマニペメフムと書いてあります。先頭のマニ石には仏陀の絵が彫られています。どのくらい古いものかは分かりませんが、ここに暮らす人々の心にチベット経が深く根付いていることが想像できます。

 ランタン村の中心集落に入ります。街道に沿って2階建ての石造りの家が立ち並びます。どの家にも石を敷き詰めて造った前庭があり、また石を積んで垣根を築いています。
 垣根の上にはマキが積まれ、乾燥させています。
 家の前で老婆が小麦を脱穀しています。全て気の遠くなるような手作業でびっくりです。

 村を抜けると大きな緑あふれる草地が広がります。ヤク『高地牛』 ゾッキョが草をはんで気持ちよさそうに歩いています。 牧歌的な風景を見ながら氷河のモレーンで出来た段丘に上がります。かつて氷河がここまで来ていた跡です。
 その段丘の高さは50m以上あるかと思います。登りきると再びメンダン(マニ石で作られた垣根)がずっと続きます。メンダン左側を通りながら谷の奥を目指していきます。
 マニ石の根元にも小さい花が沢山咲いています。少しですがアネモネの花も咲いています。黄色や青、白、赤、ピンク、オレンジの色と草の緑が、私達のトレッキングをより愉しませてくれます。

 やがてムンドゥの村の前を通ります。ここの村にも電気が来ているようです。集落周辺にはカルカ(放牧地)が沢山あり、小麦の植えてあるカルカとジャガイモが植えてあるカルカがあります。ジャガイモのカルカは紫色で染まり、とっても綺麗です。ここで写真を一枚。
 更に進むとシンダムという集落があります。このあたりでは、ピンク色の花をつけたタデ科のビストルタ(トラノオ)が大群落をなしています。何処を見てもこの花で地面が染まっています。

 また向こうのカルカの中だけに真っ白な花をつけたアネモネが咲き乱れているのが見えます。早速その中へ行き記念撮影。
 ピンク色のトラノオで彩られた絨毯を歩きながらキャンジンゴンパを目指します。 エーデルワイスも咲き、その横で黄色いスミレが群落を作っています。
 川よりの道に変わり、川辺に沿って黄色いサクラソウが咲き乱れています。向こうまで40cmほどの背丈で見事な群落を作っています。
 後ろを振り返ると2mほどの背丈に成長したイエローポピーが沢山の花をつけて咲いているのです。その横にも、そして後ろにも。イエローポピーは向こうの岩の傍にもあります。およそ15株ポピーが、私達のいる所から見えています。 キャンジンゴンパもうすぐです。

キャンジンゴンパ到着:

   大きな岩が沢山転がっている場所をくぐり抜けながら行くと、キャンジンゴンパに着きました。  10数件のロッジがあり、一番上の場所にゴンパ(お寺)とチーズファクトリーがあります。
 ここはランタン村の人だけがロッジを建てることが許される入り相権の土地です。
 昔は数軒のロッジしかなかったカルカですが、毎年ロッジが建設され今では沢山出来ています。建設中のロッジもあります。

 私達がキャンジンゴンパに着いたのを知ったキッチンボーイが、走って温かいオレンジジュースを持ってきてくれました。高台から見る村の全貌と目の前に立ちはだかる丘(4200m)を見ながら温かいジュースをいただきます。
 今まで曇っていたヒマラヤの峰々も、少し顔を出し始めてきました。真っ白い雪を被った頂上が神々しく輝いています。
 ランタンリルン(7100m)の頂も見え、その瞬間ランタン谷に響きわたる轟く雪崩の音にびっくりしました。  

 ゴンパ(お寺)で開催されているお祭りを見に、ランタン谷で暮らす殆どのネパール人がこのキャンジンゴンパへ集まってきているようです。
 ランタン村の人たちがゴンパ周辺で簡易なテントを設営しています。ロッジの中にも沢山のネパール人が集まっています。キッチンボーイの後について、宿泊予定のロッジに向いました。  

 只今の時間11時45分ロッジに入り、先ず荷物を下ろします。ストーブがありますが、昼間は火が入っていません。雨具を干して、それから服を着替えます。ポーターも私たちよりも早く着いていて、ゆっくりとミルクティーを飲んで寛いでいます。
 ゴンパの近くの広場で、現地の人が輪になって踊りをしています。どの人も化粧をして晴れ着姿で踊っています。 私たち以外にも欧米人のトレッカーが数組いるだけですが、とても楽しそうに見学しています。そんな外の様子を見ているうちに昼食になりました。

 かけうどんに、海苔巻き寿司を中心にした昼食です。サラダや野菜炒め、漬物などお皿に載せられて沢山出てきます。
 現地の人も日本食が珍しく興味深く私たちの食事を見ています。
 参加者は窓越しに見えるヒマラヤを見たり、現地の人たちの暮らしぶりを見たり、お花の話をしたりで、いつも以上に楽しい昼食です。

 日本人ガイドより午後の過ごし方について、説明がありました。  『午後はフリーで、この周辺を散策します。もしよろしければ、高度順応をかねて目の前の丘に登りませんか?』
 全員一致で午後から目の前の丘に登ることになりました。出発は1時30分それまでに準備をしてロッジの入り口で待つことを約束して解散です。  参加者は雨具、水筒、カメラや三脚をもったり忙しいです。あまりにも忙しそうに見えたのでしょう。ネパール人スタッフが手伝ってくれました。その様子を撮影している参加者もいます。

高度順応の散策

   キャンジンゴンパは無数の花に囲まれた大花畑です。目の前の丘キャンジンリもお花の山に変わっています。白いアネモネが咲き、紫色をしたショウガ科の花、ピンクのトラノオなど10種類ほどの花が競い合うように足の踏み場も無く咲いているのです。

 1時30分全員が集まり出発です。先ほどより雲が出ていますが、雨の心配はなさそうです。
 丘の頂上を見るとタルチョー(経文が書かれた旗)がはためいているように見えますが、時々雲に隠れてしまい、はっきりしません。
 丘の末端に取り付き、ジグザクに登っていきます。少し斜度がありますが、道に沿っていろんな花が私たちを応援してくれます。 適度に休憩しようとしても、腰を下ろすのが申し訳ないほど、お花が咲いているのです。そんな贅沢なお花街道を歩き頂上を目指しました。

 約2時間歩いてきたでしょうか、頂上にある旗(タルチョー)がはっきり見えました。いくつもの白い旗が柱に取り付けられ、ヒマラヤに吹く風に大きくたなびいているのです。
 周りは背丈の低いトラノオがびっしりと山肌を覆っています。その頭上に頂上を隠したランタンリルンが聳えています。
 出発してから2時間10分で頂上に着きました。そこはタルチョウがはためく小さい頂上でした。  眼下400mにはキャンジンゴンパの村が小さく見え、そのまま後ろに眼を移せばランタンリルンが氷河を抱いて鎮座しています。雲に隠れてしまって見えないヒマラヤもランタリルンの横に続いています。  晴れていれば360度ヒマラヤに囲まれた大パノラマを見ることができる場所です。

 頂上には、下では見ることができなかった花、キキョウ科やナデシコ科の花たくさんが咲いていました。
 頂上では初めのお花にも出会い、満足できた高度順応が出来ました。帰りは同じ道をゆっくり下りていきます。ヤクも私達の歩きに追われ、前に逃げていきます。
 1時間ほどかけて下り、煙突から煙が出ているロッジへ戻りました。少し遅いですが、ティーブレイクが始まります。ストーブに火があり、部屋はぽかぽかしています。
 外は大粒の雨が降ってきました。トタン屋根に雨粒が当たり、少しうるさいです。
 1時間程お茶を楽しむと、スタッフは夕食の準備に取り掛かり始めました。  

夕食

 いつもより1時間程遅い夕食です。あたりはすっかり暗くなり、キャンドルが灯され幻想的な空間を醸し出しています。
 キッチンから食事が運ばれてきました。今日はおでんの夕食です。私達が丘に登っている間にコックがおでんを仕込んでいたようです。

 日本では冬に食べられるおでんをヒマラヤでいただけるとは・・・  出汁の良く効いた味付けで、ご飯にあいます。煮込んだ大根がまたホクホクしていて美味しいです。 それ以外にもキムチが出てきました。ご飯は2種類あり、白米と豆ご飯です。どちらもちょうど良い硬さです。酢の物もでてきました。大根とにんじんときゅうりとわかめを使った酢の物です。こりこりとした触感です。
 最後にデザートとして、キッチンボーイが作ったバナナケーキが出てきました。先ほどまで沢山夕食を食べたのに、バナナケーキが1人ずつ配られていきます。コーヒーを飲みながらバナナケーキを美味しく頂きました。

 キッチンボーイが湯たんぽを運んできました。その後ガイドが明日の予定について説明していきます。 『 明日はこの近くにあるヌバマタンカルカへお花を見に行きましょう。谷を遡って歩いていく所です。  今日見てきたお花とは違う水辺のお花も見ることが出来ます。沢山のヤクが放牧されているので、牛とヒマラヤと高山植物を一つの写真に収めて見ましょう。せっかくなのでお弁当を持っていきましょう』 と。
 明日の予定を聞いて参加者は大喜びです。ストーブの火が完全に消えるまで夜を楽しんでいる参加者です。9時には部屋にもどり、就寝です。

 
前の日へ  次の日へ


ブルーポピーに触れるトレッキング お問い合わせは   他のコースのお問い合わせは



    

お花好きな
ご婦人にお勧め !



高山植物を毎日見ながらトレッキング

 5日目は、氷河に削られたランタン谷を遡り、ランタンリルンから流れ出した氷河のモレーンの傍にあるキャンジンゴンパへ行きます。

 ランタン村の集落を抜けて行きます。

 モレーンを乗り越えると、マニ石が綺麗に積まれたメンダンの左側を歩きます。

 幾つかのお花畑を通りながら、川原へ。

 黄色いポピーの発見!

 大きな岩の間をすり抜けて、標高3800mにあるキャンジンゴンパへ


各日程はこちらから

 初日

 2日目

 3日目

 4日目

 5日目

 6日目

 7日目

 8日目

 9日目

 10日目

 11日目

 12日目

 13日目



5日目の行程

起床
6:00

朝食
7:00

出発
8:10

ムンドゥ到着
9:00

キャンジン着
11:45
昼食

キャンジン・リ出発
13:30

頂上へ
15:40

キャンジン着
16:40

夕食
18:00

就寝
21:00


サパナのトレッキング映像


旅行業 約款
  
Thank you for visiting! @copyright 2008 Sapana

ヒマラヤトレッキングツアー専門 サパナ
〒520-0866 滋賀県大津市石山寺辺町221-8
電話:077-534-5469(ファックス共通)
総合旅行業務取扱管理者 浅原明男